バンクロール管理はスポーツベッティングにおいて楽しいものではないですが、スポーツベッティングに限らずギャンブルをする際には非常に重要となります。特にエンターテイメントとしてではなく、長期的に利益を上げようとお考えの方には避けては通れない道です。
事実ベッターとしても有名な俳優Bruce Dernも『スポーツベッティングは資金管理(バンクロール)が全てだ。試合で買ったお金が一番重要なのではない』と述べており、多くのプロベッターがこの言葉に賛同しています。それくらいバンクロール管理は重要なのです。
この記事ではバンクロール管理の基本について分かりやすく説明していきます。
スポーツベッティングでのバンクロール管理は、現実世界でのバンクロール管理とは異なります。現実の世界では、お金は通常、毎月給料日に仕事の報酬として受け取ることができます。そして、そのお金を使って商品やサービスを購入し、生活をすることができます。生活をするとお金が減るので、さらに仕事をしてお金を稼ぎます。
一方でスポーツベッティングでは、仕事をする代わりに、今あるお金を使ってより多くのお金を生み出すことができます。リスクを取りすぎてバンクロールが減ってしまうと、追加でアカウントに入金しなければ追加収入を得ることが難しくなります。そのため、一定のバンクロールを維持し、それを増やしていくことがスポーツベッティングにおいては大切です。これがバンクロール管理の基本です。
スポーツブックで勝つためには、長期的なプロセスとして考える必要があります。スポーツベッティングは利益率が低いという特徴があるため、リスクを取りすぎると、短期間で一気にバンクロールが減ってしまいます。そのため、長い時間をかけてこそ、資金を増やすことができるのです。
スポーツベッティングで賭けるべきお金は、現実世界でのバンクロールによって異なります。スポーツベッティングを始めたばかりの人であれば、バンクロールの約1%を賭けるのを推奨します。
バンクロールが1,000ドルの場合1%は10ドルになります。これだと、人によっては金額が少なすぎると感じるかもしれません。
個人の判断でベット額を上げるのは構いませんが、賭け金の額をバンクロール総額の5%以上にすることはリスクが高いのでおすすめしません。初心者の場合、すぐにバンクロールがなくなってしまい、スポーツベッティングを継続できなくなってしまうことも考えられます。
1%が少なすぎると感じるのであれば、2.5%くらいに設定するのがいいでしょう。
ユニットは、スポーツベッティングの世界では、他のベッターと自分の結果を比較しやすくするために使われます。そして、ユニットサイズはよく1uと表示されます。
例えば、あるプレイヤーが$10,000のバンクロールを持ち、別のプレイヤーが$500のバンクロールを持っていた場合、どちらのベッターがNFLに賭けてより多くの利益を得たかを比較することは公平ではありません。バンクロールが大きいプレイヤーは成績が悪くても賭け金が大きいため、バンクロールが少ない人よりも多くの利益を得やすいためです。
そのため、ユニットサイズを設定することで、平均的なベッターと比較して、どれだけの金額を増やすことができるかを判断することができます。例えば、あなたのベット額が500ドルだとしましょう。そして、他の人のユニットサイズが100ドルの場合、あなたは5ユニット賭けたことになります。また、ユニットサイズが大きくなればなるほど、どれだけの収益が得られるかを予測することができます。
スポーツベッティングでベットする際にはバンクロールの1%がいいと解説しましたが、必ずしも毎回同じ金額である必要はありません。バンクロール管理をする際には、いくつかの戦略があります。
これは最もシンプルなバンクロール管理戦略であり、長期的にみると最も安全なものだといえます。フラットベッティングモデルでは最初にユニットサイズを設定します。そして、後はオッズや自信があるかどうかなどに関係なく、常にすべての賭けに1ユニットずつ賭けるだけです。
フラットベッティングモデルの最大の利点は、長期でコツコツとバンクロールを増やすことができるという点です。
ただし、フラットベッティングモデルを使用する場合は、定期的にバンクロールを見直す必要があります。バンクロールに変動がある場合は、その増減にあわせてユニットサイズも増減させなければいけません。
パーセンテージモデルは、フラットベッティングモデルに似ています。しかし、パーセンテージモデルでは、事前にユニットサイズを設定するのではなく、バンクロールに応じて毎回ユニットサイズを決定します。スポーツベッティングを始めたばかりの時はユニットサイズは大きく変動しませんが、ゲームを長く続けることによってユニットサイズが大きく変動するのがパーセンテージモデルの特徴です。
例えば、1,000ドルのバンクロールでスタートした場合を考えてみましょう。ユニットをバンクロールの2.5%と設定した場合、最初の賭け金は25ドルになります。そして、2回目のベット額は1回目の結果によって異なります。
最初の賭けで勝った場合、バンクロールは$1,025に増えます。すると、2回目のベット額が$1,025の2.5%、つまり25.63ドルになり1回目よりも増えているのがわかります。
このパーセンテージモデルの大きなメリットは、連勝した時にバンクロールが増加してことを生かして、より多くのリターンを狙えるという点です。パーセンテージモデルでは賭けが成功するたびに賭け金を増やしていくので、上昇局面ではより大きな投資収益率を得ることができるのが魅力だといえるでしょう。
パーセンテージモデルのデメリットとしては、損失を取り戻すのが難しいという点が挙げられます。バンクロールが最初の金額を下回ると、賭け金のサイズが小さくなります。このため、勝利したとしても得られる金額が少なくなってしまい、損失を取り戻すためには連勝することが必須となります。
コンフィデンスモデルとは、自信のあるゲームではベットサイズを大きくするベッティングスタイルのことを言います。
最初に賭け金は1ユニットとした場合でも、自信がある場合は、ベット額を2~3ユニットに増やすこともできます。ベット額をどの程度増やすかは個人の経験にもよりますが、安定して勝てるようになるまでは、2~3ユニットを上限にすることをおすすめします。
コンフィデンスモデルを使用する際には、まずはどれくらい成功するか試してみるのがいいでしょう。この際、まずは各ベットをどれくらい自信があるかによって、1~3のレベルに分類します。そして、フラットベッティングモデルを使用した時と、コンフィデンスモデルを使用した時で、最終的なバンクロールにどれくらいの差が出るかを確認しましょう。もしもコンフィデンスモデルを使用した際のバンクロールが圧倒的に多いのであれば、本番でもコンフィデンスモデルを使用してベットするといいでしょう。
また、コンフィデンスモデルでは自信がないときに半分のユニットを賭けることも可能です。これはパーレイやマネーラインのアンダードッグなどで有効です。
ケリー基準モデルは、コンフィデントモデルをさらに発展させたものです。ケリー基準モデルではどれくらい自信があるかによってユニット数を決める代わりに、各賭けの正確な勝率を考慮してベット額を決めます。
そして、その数字を次の公式に差し込み、バンクロールの何パーセントをベットするかを決定します。ケリー基準モデルで使用する計算式は以下の通りです。
(デシマルオッズ * 勝ちの確率 - 負けの確率) / デシマルオッズ = 賭け金の割合
この計算式は、一見すると少し難しそうに見えますが、見た目ほど難しいものではありません。
実際に例を挙げてみましょう。
-110の賭けにおいて勝率が55%あると判断した場合、計算式は次のようになります。
(0.91*.55-.45)/0.91= 0.055
この計算式では、ケリー基準モデルによるとバンクロールの5.5%をベットするのが最適だという結果となります。この計算式によってベット額の割合を計算すると、自信がある場合、ベット額が増える仕組みとなっています。
このケリー基準モデルを使用した場合、賭け金が非常に高くなることもあります。例えば、+200のアンダードッグの勝率が50%だと仮定した場合、計算式は次のようになります。
(2.00*.50-.50)/2.00=0.25
つまり、ケリー基準モデルに従うと、バンクロールの25%を賭けるということになります。このようにケリー基準モデルでは計算式によって賭け金が非常に大きくなるので、計算式に間違いがないように正確に計算することが大切です。
また、ケリー基準モデルはコンフィデントモデルと同じように、まずは試してみて、どれくらいバンクロールを増やすことができるかを確認することが大切です。そして、成功する可能性が高い場合のみ、本番でケリー基準モデルを使用するようにしましょう。
また、リスクを抑えたいのであれば、ケリー基準モデルで計算された割合の半分または4分の1の金額をベットするという方法もあります。どれくらいリスクを取りたいかによって、うまく調整するのがいいでしょう。
以上バンクロール管理についてでした。これから初めてブックメーカーでベットをする方は1%からスタートしてみてはいかがでしょうか?いきなり資金を使うのが不安な方は入金不要ボーナスをご利用ください。
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